オールオンフォー症例
無歯顎(歯が1本も無い)の患者様です。長期に渡って総義歯(取り外し式の総入れ歯)をご使用されてましたが、入れ歯が緩くて隙間に物が挟まり痛くて噛めなかったり、話していると上の入れ歯が落ちてきたりと、大変ご苦労されていたそうです。当院でオールオンフォーをされた患者様のご紹介で来院されました。
入れ歯を使用していた期間が長かったため、顎の骨が吸収(萎縮)してしまい、少々難しい症例でした。(特に上顎の骨が高度に吸収しておりました。下顎は臼歯部の骨吸収が進んでいましたが、前方にはしっかりとした骨が存在しておりました)このような患者様にはオールオンフォーはとても有効な治療法で、多くの利点があります。
CT撮影を行い、3Dシュミレーションソフトで骨の状態を診査し、バーチャルでインプラント埋入手術を行います。それにより安全確実に手術をすることが可能になります(顎の骨を平らに整形する処置も含めてのシュミレーションになります)
本症例では上顎に5本、下顎に4本のインプラント治療(オールオンX)でプラニングを行いました。上顎には大きな副鼻腔、下顎には下顎管(神経と動脈)があるため、それをうまく避けながら最後方のインプラントを傾斜して埋入を行います。これは長期的に良好な治療結果が多数報告された安全な治療法として認知されております。
ほぼプラニングどおりにインプラントの埋入が行われ、無事にインプラント固定性の義歯が口腔内に装着されました。(顎骨の整形(骨の平坦化)を行い、実際の骨の状態を確認しながらベストなポジションに埋入を行うので、シュミレーションと少し異なることもあります)
使用インプラントはストローマン社製のネオデントインプラントです。初期固定もよく、長期的に安定した治療結果が得られます。
手術当日にセットされたインプラント義歯のお写真です。あらかじめお顔にあった仮義歯を、綿密な診査診断のもとに丁寧に製作してから手術に臨みます。
やわらかい物でしたら手術当日からお食事が可能です。術後のお痛みや腫れは鎮痛剤や抗生物質を服用して頂き対応します。2週間後に抜糸を行い、その後2ヶ月はインプラントが骨としっかり結合するのを待ってから義歯の細かい調整を行なっていきます。
ただ噛めるだけのインプラント治療ではなく、口元を美しく回復する審美治療も考慮したオールオンフォーの治療を目指しています。治療結果には皆様大変ご満足頂いております。